女性に優しい乳がん診断を目指し、革新的な乳房用画像診断装置「リングエコー」の開発を行う東大発ベンチャー
株式会社Lily MedTech
画像取得先: https://www.lilymedtech.com/
会社概要・事業内容
会社概要
2016年5月、乳房用超音波画像診断装置の開発を目的として設立された東大発ベンチャー。女性に優しい乳がん診断の実現を目指す。
東京大学医学系研究科・工学系研究科での医用超音波技術を基に、リング型の超音波振動子を用いた革新的な乳房用画像診断装置「リングエコー」の開発を、東京大学を始めとする学術機関・医療機関等と協力して進めている。
現在の乳がん検診にはX線マンモグラフィやハンドヘルド型の超音波が用いられているが、マンモグラフィは圧迫による検査時の痛み、X線照射による被ばくリスク、デンスブレスト(高濃度乳房)に対する検出精度低下等の課題があり、ハンドヘルド型の超音波は、がん発見が検査技師の技術に依存するという課題を抱えている。
これに対し、当社のリングエコーは、被ばくリスクや痛みがなく技師に依存しない乳がん発見が期待される。
2019年9月には、アルフレッサ株式会社、アフラック・ベンチャーズ合同会社、株式会社三菱総合研究所等を引当先とする第三者割当増資を実施。シリーズBラウンドとなる総額約9.3億円の資金調達を完了。
同年10月、東京都支援事業「先端医療機器アクセラレーションプロジェクト(AMDAP)」の「令和元年度 支援対象事業者」に採択。
事業内容
- 医療機器開発など
開発プロダクト・テクノロジー
乳房用画像診断装置「リングエコー」
東京大学医学系研究科・工学系研究科での医用超音波技術を基にした、リング型超音波振動子を用いた革新的な乳房用画像診断装置。超音波振動子をリング状に並べ、均質かつ解像度の高い撮像を可能とする技術である。
受診者がうつぶせになり乳房をベッドの穴に入れるだけで、円環状の超音波振動子が上下に移動しながら乳房内を撮像。振動子が身体に触れることはないため、受診者が撮影中に痛みなどを感じることはない。また、乳房を下垂させた状態で撮影するため、再現性の高い撮影が可能となる。
- 誰にも乳房を見られたり触れられたりせずに検診を受けられる
- 超音波なので被ばくの心配がなく、乳腺密度が高い方の検診に適している
- 圧迫をしないため、自然な形に近い乳房全体の3D画像が撮れる
- 診断を支援する技術により、検診の精度を高める
沿革
- 2015年3月 ニッセイ・キャピタル主催 NCCベンチャーグランプリ2015 優秀賞受賞
- 2015年11月 プロトタイプ1号機完成 (東京大学東研究室)
- 2016年3月 NEDO STS助成事業 採択
- 2016年5月 創業、法人設立。東京大学と共同研究契約締結
- 2016年10月 プロトタイプ2号機完成
- 2016年11月 つくば国際ブレストクリニックにてヒトを対象とした臨床研究開始
- 2016年12月 東大病院でヒトを対象とした臨床研究開始
- 2017年8月 新技術開発財団 第99回新技術開発助成 採択
- 2017年8月 イノベーション・ジャパン2017 において、大学発ベンチャー表彰2017アーリーエッジ賞 受賞
- 2017年10月 AMED 医療機器開発推進研究事業 採択
- 2018年2月 東京都中小企業振興公社 次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業 採択
- 2018年3月 Beyond Next Ventures株式会社、JSTなどから3.5億円調達
- 2018年12月 文京区大学発ベンチャー支援事業 採択
- 2019年6月 経済産業省により「J-Startup」企業 選定
経営者プロフィール
代表取締役 東志保
取締役/CTO 東隆
(同社Webサイトおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)