再生医療で確立した技術で脂肪幹細胞培養液を原料としたスキンケア製品の開発提供を行う琉球大発ベンチャー
株式会社GRANCELL
画像取得先: http://grancell.co.jp/
会社概要・事業内容
会社概要
琉球大学発ベンチャー第1号の承認を受け、大学で診療・研究に従事する医師・研究者たちが中心となり2017年2月に設立。再生医療で確立した技術を応用して、脂肪幹細胞培養液を原料としたスキンケア製品(コスメ アカデミア) の研究開発から製造販売まで一貫しておこなっている。
「学術のパワーと企業のスピードで、再生医療研究成果による社会のHappyを創造する」を企業理念とし、医療分野にこだわらない社会貢献の最初の事業として、スキンケア製品の開発を開始。
当社学術チームがヒト脂肪幹細胞の培養移植による再生医療を先行して実施、成功していた研究実績もあり、起業からちょうど1年という異例のスピードで、平成30年2月にローション、エッセンス、フェイスマスクの3つのラインナップが完成し、コスメアカデミアブランドとして販売を開始した。
実際の再生医療に用いる培養手法を実践して原料製造をおこなうため、当初量産が困難で、自社オンラインサイトのみでの販売開始となったが、コスメアカデミアの製造販売と並行して、培養上清の医学的検証や、原料量産法などの研究開発も進行。
また、医学部発ベンチャーの特色が注目され、株式会社ランドリージローとの共同研究事業や、内閣府や琉球大学における沖縄型医療機器開発人材育成の取り組みなどにも参画している。
事業内容
- 再生医療事業
- 化粧品事業
- ライフサイエンス事業
テクノロジー
脂肪組織由来幹細胞
脂肪組織由来幹細胞(Adipose-derived Stem Cell ; ASC)は、脂肪組織の中にごく少量含まれる幹細胞の一種。一般的には「脂肪幹細胞」と呼ばれることもある。
琉球大学医学部では、2016年3月に、国内で初めての「顔面陥凹性病変に対する培養脂肪組織由来幹細胞移植」治療に成功。その後も、同様の治療実績を積み重ねている。
また、体外で培養により増殖させた幹細胞の移植は画期的であり、国内外から多くの注目を集めている。
琉球大学医学部と当社は、この治療を実現する際に蓄積したさまざまな技術、熟練、実施体制などを礎にし、倫理的議論を尽くして、研究・治療の準備を実施。安全に脂肪組織を採取し、最高水準の細胞加工施設(CPC)で幹細胞を抽出し、完全無菌状態で高効率な培養をおこなう体制を確立。細胞の品質を検査し、高い品質を維持する技術を蓄積してきた。そして、最終的に患者の体に移植しても安全で、高い治療効果を得られる高品質な細胞加工を可能としている。
CPC / 細胞培養
CPCとは、細胞加工施設(Cell Processing Center)の略語。
細胞の抽出、培養、分化誘導など、さまざまな加工をおこなう高水準のクリーンルームである。「再生医療安全性確保法」により、CPCの満たすべき条件(無菌性、交差汚染の防止、清浄度の確保など)は厳密に規定されており、また、実際にそこで細胞加工をおこなう技術者も、専門のトレーニングを受け、高い技術を習得する必要がある。
琉球大学医学部では、付属する再生医療研究センター内のCPCにおいて、さまざまな再生医療の実際の治療および研究を実施。そのために、CPCはGMP準拠(「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」の定める高い基準)の、最高水準の設備となっており、完全無菌の高い細胞品質を可能としている。
サイトカイン
細胞に対して何らかの情報を伝達するタンパク質の総称。比較的小さな構造(ほとんどが分子量3万以下)であり、さまざまな種類のサイトカインがある。特定の臓器で作られ、比較的遠くの細胞に影響するホルモンと異なり、通常は分泌する細胞の近くにいる細胞や、分泌する細胞自身に情報を伝達する。
サイトカインは多機能性とネットワークという複雑なコントロールシステムを持っており、だからこそ当社では美容治療において絶大な効果が証明されている脂肪組織由来幹細胞を起点とした幹細胞化粧品を開発している。
プロダクト
国立大学再生医療研究センター発コスメ「コスメアカデミア」
美容治療において絶大な効果が証明されている脂肪組織由来幹細胞を起点とした幹細胞化粧品。琉球大学医学部の再生医療研究を礎とし、再生医療・美容医療・幹細胞培養の専門家が開発・製造・品質管理を担当。ドクターズコスメの域を超えた、最高水準のアカデミア コスメ(Academia Cosmetics)。
琉球大学医学部が再生医療・美容医療にも使用する脂肪幹細胞を研究する中で、国立大学の再生医療研究センターでの脂肪幹細胞培養をおこない、化粧品の原料となる、日本で初めての国産の「エキス」(ヒト脂肪細胞順化培養液エキス※)を抽出することに成功し、誕生した。※保湿成分
沿革
- 2017年2月 株式会社Grancell 設立株式会社GRANCELL設立
- 2017年6月 化粧品製造販売業許可 取得化粧品製造販売業許可証
- 2017年7月 国立大学法人 琉球大学発ベンチャー(第1号) 取得国立大学法人 琉球大学発ベンチャー(第1号)取得
- 2017年11月 日本初で国産の「ヒト脂肪細胞順化培養液エキス」を原料とした化粧品が完成
- 2018年1月 再生医療認定医 取得
- 2018年3月 COSME ACADEMIA正式発売
経営者プロフィール
代表取締役 野村紘史
琉球大学医学部附属病院 非常勤講師
中頭病院 医師(兼任)
東京大学医学部卒業後、形成外科・美容外科の研鑽を積む。
乳房再建を始めとする機能再建外科や、美容医療における脂肪組織由来幹細胞の有効性を研究するために、2013年よりボストンへ留学。現在も臨床に従事しながら、琉球大学での再生医療研究をおこなっている。
(同社Webサイトおよび同社PR TIMES掲載情報を基に当社編集)