独自のエピゲノム解析技術でヘルスケア分野、農林水産分野で様々な検査を確立。東京大学発バイオベンチャー
株式会社Rhelixa
画像取得先: https://www.rhelixa.com/
会社概要・事業内容
会社概要
2015年2月に設立された、東京大学発、エピゲノム解析のリーディングカンパニー。
コア技術は、次世代シーケンサー(ゲノム配列決定装置)より得られた網羅エピゲノムデータを解析する独自のアルゴリズム。ゲノム、エピゲノム、トランスクリプトームを独自の技術で解析し、研究開発の効率・精度を格段に向上させる。
毎日の暮らしから産業まで、あらゆる場面で生命情報が活用される社会を実現するため、ゲノム・エピゲノム情報に基づく独自の検査技術を開発し、あらゆる人が簡単に生命情報を活用するための統合解析プラットフォームを創出する。
「エピゲノム」とは
生まれた時に決まっている遺伝的情報そのものを「ゲノム」と呼ぶことに対して、時間・環境依存的な後天的な分子レベルの影響を「エピゲノム」と呼ぶ。癌をはじめとする多くの病気は、喫煙や飲酒、食生活の乱れといったエピゲノムの異常が蓄積することにより発症するといわれている。また、エピゲノムはゲノムと同様に地球上のあらゆる生物が持つ分子機構であり、ヒトに限らず動植物や微生物においても重要な意味を持つ。そのため、エピゲノムは我々の社会において、ヒトのヘルスケア領域以外でも、農林水産といった様々な産業に関わってくる。
事業内容
- ゲノム・エピゲノム等の遺伝学的データ解析事業
- 遺伝学的データ解析用途のシステム開発事業
当社はコアコンピタンスであるエピゲノム解析技術を応用し、ソフトウェアや検査技術の開発、それぞれの目的に応じた研究開発のサポートを実施。
次世代シーケンサーエピゲノム実験・解析を中心として、3つの事業を展開。
- 「実験解析」
次世代シーケンサーを用いて最先端のエピゲノム実験を実施。時間・環境依存的な影響を明らかにするエピゲノムに加え、遺伝的な体質やリスクを予測するゲノム、環境状態を明らかにするメタゲノムに関わる実験のサービスも提供。ほか、他社では受けられないカスタマイズ性の高い実験も対応可能。 - 「情報解析」
エピゲノム実験より得られる多様なデータを組合せ、特定の細胞の状態を維持・変化させる制御因子、それらによる制御機構を解明。エピゲノム情報解析においては、mRNAやnon-coding RNAの発現、DNAメチル化、ヒストン修飾、転写制御因子の結合、高次構造など異なる性質を持つデータを組合せ、有用な情報を抽出していく必要がある。目的に応じてどのような戦略をとるか、当社独自のノウハウと、実現のための技術を保有している。
エピゲノム情報の他にも、次世代シーケンサーより得られたゲノム・メタゲノム情報の解析も可能。個々のデータ解析からそれらを組合せた統合解析はRhelixa特有の技術である。更に、遺伝情報以外のデータも合わせて取得されているプロジェクトの場合は、独自の機械学習アルゴリズムを用いて、それら異なる性質を持つ情報の統合解析を行う。 - 「基礎研究・研究開発サポート」
次世代シーケンサーを用いた研究開発を、デザインから実験、解析、最終アウトプットである論文や製品化までをハンズオンでサポート。製品化の対象は、主に特定の状態を判断するためのゲノム・エピゲノム検査。検査の開発においては、次世代シーケンサーを用いて網羅解析を行い特定の状態に変化・維持させている因子を絞込み、最終的にはそれらを勘弁に検出する方法を確立する。対象の因子を絞り込むことによって、開発された検査はユーザーフレンドリーな価格や手間で提供可能。
当社ではこれまで、ヒトや動物(主にペット)のヘルスケアにおいては遺伝的な体質から病気の進行具合まで、農林水産業においては土壌や水、生産物の発育の管理や最適化、それらを実現するための様々な検査を確立してきた。
経営者プロフィール
代表取締役 仲木竜
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。 計算生物学者。
次世代シーケンサーより得られた大規模ゲノム・エピゲノムデータの専用解析アルゴリズムの開発・応用を専門とする。2015年2月に株式会社Rhelixaを設立。
(同社Webサイトおよび同社Wantedly掲載情報を基に当社編集)